昔から悪のヒーローは人気がありますよね。
普段は突っ張っているヤツが雨の日に捨て猫に傘をさすとか。
トータルで見ると悪なんだけど、たまに見せる善が際立って良く見えてしまうパターン。
オススメする漫画「ザ・ファブル」も悪の善行を読者が待ち望むストーリーになっています。
まだ読んだことのない人のために、ざっと解説しますね。
あらすじ
プロの殺し屋であるファブルはボスの命令で一年間休業することになり、大阪で一般人として生活することを義務付けられました。しかし、死者に死神が近寄るように、彼にも犯罪と暴力の使徒が近寄ってくるのでした。
普通の生活を楽しむようになった彼は、自分の日常を脅かす火の粉を払いのけるため、人知れず殺し屋の技を使うのでした。
っとまあ、簡単に説明するとこんな感じです。
正体を隠して潜伏するだけでも興味をそそられる設定です。
登場人物
佐藤明(偽名)
ファブルと呼ばれる殺し屋です。見た目からしてカタギとは思えない目つきですが、一応は一般人のフリをしています。
超猫舌という可愛い弱点をもっていますが、実は山でのサバイバルで鍛えられた敏感舌なのでした。
相棒の『ヨウコ』に
「ふぅふぅして」とお願いする姿はとても殺し屋とは思えません。
もうひとつのチャームポイントは『ジャッカル富岡』というお笑い芸人が好きという点。
どうみても三流なのだが、ジャッカルのお笑いにだけファブルは大笑いするのです。
もしかすると、何かトラウマとか過去の出来事で感覚がおかしくなっているかもしれませんね。
プロらしいというか彼が感情をあらわにしている描写は今のところありません。
常にクールで突発的なアクシデントにも動揺しません。
プロらしいのですが、一般人として溶けこむという目的からは微妙にズレているところが何とも面白いポイントでもあります。
佐藤洋子(偽名)
ファブルの相棒で情報収集、記憶能力、車の運転を担当しているようです。しかし、大阪での潜伏中は仕事がないので暇を持て余しています。
そんな彼女の趣味は
『泥酔した男を観察すること』なのでした。
虫も殺さぬような純情キャラを演じますが、テキーラを何十杯も飲むウワバミで、すでに二人の男性を急アル寸前まで追い込みました。
血なまぐさい話に咲く清涼剤のような女性です。
ただし、ヒロイン枠ではありません。
そのような女性はちゃんと別に存在します。
ミサキ
大阪に引っ越して初めに遭遇した女性。親の借金を返すためにアルバイトを掛け持ちする働き者です。
しかし、不幸の星の下に生まれたような彼女は色々と問題に遭遇する境遇のようです。
デザイン事務所で働く彼女は同僚の男に盗撮されます。
過去には着エロを経てグラドルをしていた経験があるらしく、容姿端麗なのも問題の種みたいですね。
彼女が脅され風俗で働かされそうになるところをファブルは助けます。
まさにヒロインのピンチに駆けつけるヒーローなのですが、そこはお約束で正体は隠したままです。
しかし、一難去ってまた一難。
今度はヤクザ者が隠れ蓑にしている興信所に目をつけられさらに盗撮カメラを増設されちゃいます。
もしかすると、この娘は悲劇のヒロインとしてずっと不幸な目にあるかもしれません。
いいぞ、もっとやれ!
佐羽ヒナコ
恐らく第二ヒロインです。ファブルの過去の仕事で巻き添えになり足が不自由になっています。
車椅子の少女とか、保護欲のある男性向けのヒロインですね。
あぁいやらしい、いやらしい。
そしてヤクザ者の興信所で働き悪事の片棒を担がされています。
そして、興信所のヤクザの性処理係という設定……。
この娘も不幸を背負っていますね。
どうやら作者は、女性を不幸にしないと気がすまない性格(いや性癖かな?)なのかもしれません。
みどころ
この「ザ・ファブル」は殺し屋が出てきたり、ヤクザが出てきたり、銃や刃物など物騒な物が出てきます。それだけ聞くと血なまぐさい話なのかと思うかも知れませんが違います。
けっこうな割合でお笑い要素が含まれているので暴力漫画が苦手な人でも楽しめます。
ファブルが本気を見せるのはストーリー上、締めの話のシーンだけです。
それも圧倒的な力で相手を無力化するだけで、無闇に相手を殺したり血を流させるようなことはしていません。
彼なりのケジメなのですかね、一年間は無殺を通す気なのかもしれませんね。
相棒の『ヨウコ』の酒飲みエピソードは必見です。
カウンターを挟んでのマスターとの顔芸は笑わせてくれます。
マスターのモノローグも面白いですよ、プロレスのアナウンサーのように男と女の駆け引きを解説してくれます。
15巻のあらすじ&ネタバレ
興信所が本格的に行動を開始しました。まずは『ミサキ』の家に盗聴器などがないかサービスで点検をする者を装い逆に盗撮カメラを仕掛けます。
ほんとミサキは懲りない性分のようですね。
あれだけ危ない目にあっておきながら、突然現れた男たちを疑いもせず自宅へ招き入れるなんて。
『無料』ほど怖いものはないってのは小さい子でも知っているだろうに。
まぁ無料のブログサイトを作っている私が言えた義理じゃないけどね……。
興信所のターゲットは『貝沼』。
ミサキとファブルの務めるデザイン事務所の同僚です。
貝沼の仕掛けた盗撮カメラの映像をまんまと入手した興信所の連中は早速追い込みをかけます。
興信所に貝沼とその母を呼び出し盗撮している事実と、ミサキが芸能界への復帰を計画していると嘘の情報を流し示談金をふんだくります。
まぁ、貝沼はミサキを盗撮していたことやレイプしようとした過去があるので因果応報です。
読者としてはザマアとしかコメントしようがない。
追い込まれた貝沼は『ミサキ』が悪いと思い込むようになります。
壊れちゃったネ。
デザイン事務所に出社した彼はナイフを取り出し……。
ここで10巻が終了します。
まとめ
起承転結で言えば10巻は『ヒナコ』編の『承』のあたりでしょう。9巻では興信所にまつわる登場人物紹介がされ。
10巻はファブルを含めた関係者の顔合わせが済みました。
次巻では『転』にあたるストーリーの転換期が訪れるのでしょうから、いよいよ目が離せなくなりますね。
で『結』は決定しています。
ファブルが興信所の男3人を血祭りにし、不幸ヒロインのヒナコをとりあえず救うのでしょう。
とりあえずと言うのはこの作者なら簡単に不幸ヒロインを幸福状態にしないだろうという予想です。
なぜヒナコが家出をしていたのか、そのへんが語られるのではないかと予想しています。
まぁ、彼女の両親は既に殺されているらしいですけどね。
どんだけ女性を不幸にするのが好きなんだろうか。
どS作者め……。
いいぞもっとやれ!
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