体が疲れた時は休憩すればある程度は回復するじゃないですか。
でも心が疲れた時ってなかなか回復しないんですよね。
どうやって休憩すればいいかわからない。
頭を空っぽにすればいいよなんて簡単に言う人がいるけど、それって実は凄く難しい。
そうですね、
「川の流れが早くて立ってるの疲れるの」
「なら川を止めればいいじゃない」
それぐらいの無茶振りなんですよ。
紹介する漫画「ブレッド&バター」は、そんな疲れてしまった人々のお話なんです。
ジャンルとしては恋愛漫画なんでしょうけど、ヒューマンドラマの要素が強いかなと思います。
登場人物を紹介しながらあらすじ
深田 柚季
小学校の教師だったけど、ある生徒の虚言により精神的に追い込まれ辞めます。けっこうヘビーな話ですよ。
昨今、いじめの話がニュースで報道されることが多いですが、彼女の場合は逆いじめ。
「先生に殴られるの」
生徒に嘘を言われ証拠もなく反論できない。
その子の親や他の教師に罵倒される。
誰も信じてくれない。
しまいには生徒全員でボイコット。
実際あったら怖い話ですわ……。
そんな彼女は教師をやめて結婚相談所に登録。
男性を紹介されてもピンと来ない。
挙句の果てには紹介状の社員に文句を言われる。
ドン底ですね……。
そんな時、文房具屋の中にこじんまりと開いているパン屋を見つけます。
原 洋一
原文具店の店主。心が弱り切っていた柚季は彼に
「元気が出るパンをください」と注文します。
ドヤ顔で説明しながらパンを出す洋一。
美味しいパンを食べ心が軽くなった彼女は、
「私と結婚しませんか?」と、
ついクチが滑ってしまいます。
そんな彼から、
「いいですよ、結婚しても」と意外な返事が。
彼も疲れていた人だったのです。
そりのあわない父親と喧嘩別れをし、漫画家になってガムシャラに働いたら15年交際していた女性に
「不幸になればいい」
と呪いの言葉を浴びせられ喧嘩別れ。
ふと気づくと好きで書いていた漫画が突然書けなくなる。
この人もハードですわ……。
幼少の頃は母親が料理下手で味覚音痴と栄養失調になったり。
両親が離婚し父と二人の生活になるも、お金だけ渡し帰ってこない父。
食事はもっぱらコンビニ弁当。
そんな生活してたら食べ物に興味を示さなくなって当然です。
そんな彼もパンを作り始め試行錯誤するうちに味覚を取り戻し美味しいパンが焼けるようになったのです。
いい話だなぁ???
笹本 信也
柚季の元カレ。彼女が生徒とのトラブルで疲弊しているときに教師を辞めて結婚しようとプロポーズするがフラれる。
すると、アッサリと次の女性を見つけて結婚、一児のパパとなります。
柚季の友達が結婚する関係で再び連絡を取り合う柚季と信也。
二人共ヨリを戻す気などありません。
しかし、子供を連れて原文具店に通い詰める信也。
どうやら夫婦間がうまく行っていない様子。
彼も疲れている一人だったのです。
「結婚」「温かい家庭」
それが彼の理想でした。
いざ2つとも手に入れたけど幸せじゃない。
「我慢」する癖がついてしまった彼は何もかも妥協するようになっていたのでした。
しかしソレは妻も同じだったのです。
二人共我慢し相手に何も話せずストレスだけを貯めていくそんな関係。
胃がキリキリしますね……。
そんな奥さん信也の携帯を覗き元カノと合っていることを知ります。
原文具店に乗り込み、
「信也の妻です」
こえー!!
原文具店での妻の独白ですが、今のところワタシ的にこの漫画一番の見所です。
なのでソコは書きません、読んで下さい。
まとめ
この漫画「Bread & Butter」は上を読んでもらえるとわかると思いますが、ヘビーです。恋をすると相手がキラキラ見えるなんて類の恋愛漫画じゃありません。
浮気や不倫などの愛憎劇でもありません。
精神的苦痛。
読んでいてチョット胃が痛くなるような、そんなお話です。
悩みを抱えたことがなかったり、異性との付き合いで失敗したことがない人が読んでも共感はえられずツマラナイって感想になると思います。
はっきり言って読者を選ぶ漫画ですね。
でもハマる人は凄くハマる味のある作品です。
悩みは共感できるし、
登場人物のような人はいるし、
円満じゃない家庭なんで履いて捨てるほどあると思います。
こんな言い方をすると凄く失礼ですが、
「あぁ、この漫画ほどウチは疲れてないわ」と、
自分を癒やすことができます。
冒頭でも書きましたが
「心を癒やす方法」は難しいです。
ならこの漫画を読んで、違った意味の癒やしを得てみてはいかがでしょうか。
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