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質屋という謎のシステムをご存知だろうか。
急遽お金が入用になった場合、手持ちの品を質屋へ預けお金を借り、後で借りた金を返すことで品を取り戻すシステムなのだ。
似たような商売に中古ショップがある。こちらは売却するだけで基本的に買い戻しがない。
違いは何かと言うと、商品への愛着の有無なのです。
紹介する漫画「七つ屋しのぶの宝石箱」では、そんな「質屋」に質草として預けられた男のお話なのです。
登場人物
北上顕定(きたがみ あきさだ)
幼少の頃、質屋の「倉田屋」に質草として連れてこられる。期限までに引き取りに来なかった場合、娘の婚約者にするという条件で預けられたが、結局引き取られることなく「志のぶ」の許嫁となる。
イケメンに成人し、仏ジュエリーブランド「デュガリー」の外商に勤務し辣腕を振るう。
金持ちマダム達に超人気。
倉田志のぶ
質屋「倉田屋」の娘で「顕定」の婚約者。宝石の真贋と、その宝石に宿る気を嗅ぎ分けるカンを持っている。
高校二年生。剣道部に所属している。
「顕定」のことは気にはなるが恋愛感情は今の所ない。
久世鷹臣(くぜ たかおみ)
顕定の友人で宝石ショップの宝石デザイナー。触れた宝石を浄化する不思議な力を持つ青年。
顕定の過去を知る人物で赤い色の宝石を追っている。
あらすじ&ネタバレ
この作品はメインストーリーとサブストーリーに分かれています。メインストーリーは「顕定」の生い立ちにまつわる秘密を解き明かすミステリー風な物語。
・なぜ「北上家」は離散したのか。
・「顕定」が質屋に預けられた理由は。
・「顕定」が幼少の頃に見た赤い宝石はどこへ。
・暗躍する黒幕は誰だ。
・謎の「バーナードレポート」
サブストーリーは「顕定」と「志のぶ」が出会う「宝石」にまつわるドラマ。
質屋へ持ち込まれる品々などが話しの導入部になり、そこに関係する人々の悲喜を描く物語。
どちらのストーリーもキーとなるのは「宝石」で、「志のぶ」の不思議な力が「顕定」を助けることによって二人の関係が親密になっていくという筋立てになっています。
感想
庶民が宝石と言えばエンゲージリングで、生涯に一度(まぁ多い人は多いですけど)作られる指輪です。この「七つ屋しのぶの宝石箱」でも結婚、離婚、恋愛に関係した宝石の話が多く語られます。
交際相手がくれた物だから高いと思って鑑定したら偽物だったとか、二股している相手から貰った物だから売るなど。人間臭い話ですが読んでいるとあるある感がたっぷり出ていて面白いです。
「志のぶ」の不思議な力に半信半疑だった「顕定」も、いつの間にか重要な選択には彼女の助言を受けたりして、何だかんだ言って頼りにしてるところが、普段冷たい態度とあいまって可愛いやつと思えてきます。
作者
作者である「二ノ宮知子」さんは「のだめカンタービレ」や「87CLOCKERS」も書いている人です。どちらも私の好きな作品です。
楽器やオーケストラをモチーフにした漫画は昔からあったかもしれませんが「のだめカンタービレ」ほど注目を集めた作品は他にないんじゃないかと思います。
モチーフの選択といいますか、目の付け所が違うと言うか、「87CLOCKERS」もPCのクロックという特殊な題材を扱っています。
「七つ屋しのぶの宝石箱」も宝石を題材としており、登場人物のセリフや欄外に書かれる注釈などは専門的です。
そんな専門的な言葉が出る度に知識欲が刺激され読み進めたくなる作品なのです。
きっと取材や資料集めに苦労しているのだろうなと。巻末のオマケでもそのあたり書かれています。
関智一
これは、言っては失礼なのかもしれないが「あえて」言いますが、「二ノ宮知子」の描く主役の男性の顔は皆同じです。「のだめカンタービレ」の千秋真一。
「87CLOCKERS」のミケ。
「七つ屋しのぶの宝石箱」の顕定。
三人ともアッサリ顔のイケメンなのです。
なので漫画上で彼らが喋ると私の脳内では声優の「関智一」さんで再生されるのです。
苦情?
いいえ彼らに「関智一」さんの声がピッタリとハマるのが笑えるのです。
ぜひ皆さんも「七つ屋しのぶの宝石箱」を読むときは「関智一」さんの声を思い出しながら読むと良いかも知れません。
決して「関智一」さんの生のキャラクターを思い出さないほうがいいです。
二枚目イケメンが、いきなりシモネタ大王に早変わりしますから……。
そんなキャラも好きなんですけどね。
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