今日紹介する「ヴィンランド・サガ」は、父親を殺した仇と行動を共にし、復讐する機会を伺う主人公が登場するのです。
自分の手で仇討ちができるほうが幸せなのか、仇を討つことで幸せになれるのか、そもそも仇討ちに意味はあるのか。
そんな事を考えさせられる作品です。
![](https://res.booklive.jp/139903/001/thumbnail/2L.jpg)
あらすじ(超大まかに)
前期
主人公の父親を殺した仇は、北ヨーロッパを根城に暴れまわるヴァイキングの首領で、荒くれ者を束ねるほど他者を圧倒する力を持っている。そのため主人公は幾度と無く決闘を申し込むが軽くあしらわれていた。
ヴァイキングは傭兵となり戦地を転々とする、そして主人公も戦地で経験を積み成長してゆく。
中期
親の仇は他の者の手によって殺されてしまう。生きる目的を失った主人公は奴隷へと身を落としてしまう。
そこで彼は略奪ではなく、野畑を耕して生活する事を学び、二度と暴力を振るわないと自分へ誓うのだった。
後期
奴隷から開放された主人公は争いのない世界へと旅立つことを決意する。それがタイトルとなる「ヴィンランド」だった。
冒険家である父の友人と合流し遥か西を目指すのだが、過去のしがらみは彼を開放してくれなかった。
主人公が幼い頃、所属していたヴァイキングが村を襲った。そこで生活していた娘が成長し偶然再会した主人公の命を狙う。
さらに主人公の父親の暗殺を企てた黒幕が再び彼の前に現れるのだった!
(いまここ)
登場人物
トルフィン(主人公)
短刀二刀流でスピード重視の戦闘スキルを有する強者。単独で敵地に乗り込み敵隊長を倒すだけの腕前を持つ。
前期、中期、後期で性格や表情がまったく異なる。
幼少期は虫をも殺さぬ大人しい子犬のようだったが、父が殺されてからは狼のような鋭い目つきになり、中期は牙をもがれた飼い犬を経て、後期は年老いた老犬のような穏やかな表情になっている。
一番好きなのは中期に入る前、傲慢さとふてぶてしさを兼ね備えたイケイケ状態のトルフィンでした。
近寄る者全てを傷つけるナイフのような、そんな鋭さがかっこ良かった(超過去形)
トールズ
トルフィンの父親で、昔は戦鬼のトールズの異名を持つほど恐れられていた強者。ヨーム戦士団の大隊長だったが戦が嫌になり妻ともども逃亡する。
しかし、14年を経たのち居場所を知られ軍に戻れと命令されるが、罠にハマり殺される。
アシュラッド
トールズを殺した男。しかし、それはフローキから依頼された仕事だった。デンマークの王子を救出する機会を得て、軟弱な王子を傀儡として国政に発言できる地位を得ようと画策するも、夢途中についえ絶命する。
トルフィンに対しては勝ち逃げとなる。
主役級のキャラクターで、悪人ではないので憎めない。
いや、略奪や人殺しを兵平気するから悪人なのだが、それはヴァイキングという仕事柄というか、そういう世界だしね。
フローキ
アシュラッドにトールズ殺しを依頼した卑怯者。最新巻ではまだ生きている、なかなかしたたかな奴。
四角顔のアダ名がある。
早く逝けと思っている奴である。
トルケル
のっぽのトルケルと異名を持つ戦闘大好きっ子。トールズの妻の父の弟、トルフィンの大叔父にあたる男。
軍団長を努め、周囲から信頼される良き長。
ON/OFFがはっきりとしていて、戦時以外ではとてもユニークなおっさんである。
私が一番好きなキャラ!
指を切り落とされても、目をえぐられても痛がらないタフな爺さん。
強い男が大好きで、トルフィンを一目置いている。
感想(ネタバレあり)
読み始めた頃、壮絶な乱戦シーンが迫力で、その世界に魅入られていました。
きっと親の仇を討ち、成長しヴァイキングの長になるサクセスストーリーなんだろうなと勝手に思っていましたが違った。
一国の王子が登場し、これは国の英雄END?かとも思ったがあっさりと奴隷に!
えーどうなるの?と思っているとヴィンランドへ行くとか言い出し、なるほどなあと。
前フリながっつ!!
本題に入るまでに単行本14巻をかける。
それでもファンを逃さないのが凄いのです。
これ、完結までに恐らく30巻ぐらいは必要なんだろうなという、まだまだ先の長いお話です。
色恋沙汰の話が皆無でしたが、旅の仲間に二人の女性が加わっていますので、今後の人間関係にも注目しています。
殺さずの誓いを立てたトルフィンが、血と暴力と恐怖の世界で、どう生き延び目的を果たすのか、目が離せませんよ。
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